[あだしの奇象官 感想]様々な超常現象に立ち向かう青年の心揺さぶられる物語[漫画]
あだしの奇象官1巻の表紙

引用:あだしの奇象官1巻より

[あだしの奇象官 感想]様々な超常現象に立ち向かう青年の心揺さぶられる物語[漫画]

あらすじ

様々な呪いや心霊、怪異現象が奇象として巻き起こる時代。

それに対応するために各地に派遣される奇象官という人々がいた。

その一人である化野 アビは今日も上からの命令を受け、現場へと向かう。

彼の持つ特殊な力が人々を救うことを信じて。

と言った導入のオカルト怪異漫画。

作品、作者情報

全3巻。月刊少年ガンガンにて連載されていた。


ガンガンONLINEにて第1話の無料試し読みも可能。

作者は「ワザワキリ」という方で、過去に「不機嫌なモノノケ庵」を連載していた。

ここが良かった!

1.超常現象を奇象に落とし込む面白さ

まず、本作が個人的に面白かったと思ったところは、呪いや心霊、怪異といった超常現象を奇象現象という災害に当てはめ、より現実に近い所で発生、解決していくという世界観のユニークさだったな

不可解な超常現象を身近な問題として奇象官が解決していく。
展開の構造もシンプルで非常に読み易ところもかなり良かったね。

地味な部分だけど、奇象庁という文字り先行っぽい部署があるところなんかは結構好き。

そんな奇象庁にはあらゆる場所で発生していりこういった奇象現象について様々な伝承や言い伝えが残っているようで、それを元にこれらの災害を解決しようとしているらしい。

この辺は結構奥が深そうな設定で今後の掘り下げが気になる所。

1巻の段階では神隠しの沼、人の意識を乗っ取る怨霊などが登場。
どれも現実世界でも多少扱われる様な怪異が多く、ある意味で馴染み深い要素をまずは奇象として描いているのが取っつき易く面白かったな。

内容としても物悲しいバックボーンや展開が相まっていて凄く前のめりに読み進めることができたね。
一緒に歩いていた源次という少年が沼のような奇象に飲み込まれ焦る少女

引用:あだしの奇象官1巻より

様々な怪異現象が発生しそれに対応していく

そして、ここまで特殊な省庁や対策官がいるにも関わらず、あくまで減災による対応しか出来ず、起こってしまったことはどうしようもないという世界観のもどかしさも読者として複雑な心境にさせられるのが読み応えがあったと思う。

1巻では呪いや心霊が主だったけど、後々怪異やもっと都市伝説、伝承じみた分野まで広がって行ったりするのか、その辺りの展開にも注目だね。

2.謎多き主人公 化野 アビの存在も魅力

もう一つ本作の魅力を底上げしていると思ったのは主人公である化野 アビの存在だったな。

作中におけるポジションとしては奇象官という現地に赴いて奇象へと対応するという役職らしい。

奇象官全員がそうなのかは謎だけど、特殊な能力の奇象術という技を使う。
中でも化野は火葬蒐集という自らの体内に奇象を封印する技を頻繁に使っていて、本人曰く、術の力で怨霊などを鬼火レベルに分解するらしい。

そして最終的には呪いを食べて封印し、自らが死ぬときにまとめて地獄に道連れにするという覚悟まで見せてくる。

何が彼をそうまでさせるのか、この辺りの謎は今後の深掘りが楽しみ。

ちなみに作中に頻繁に出てくる鬼火はそれを見たり操ったりすることで情報収集などもできる様子。
死体や人の怨念から発生するらしく、奇象官には必須のアイテムらしい。

アイテム扱いというのが何とも俗っぽくて良い表現だよね。

更には奇象に対してのフィジカルも強いという正に対奇象におけるプロフェッショルといった感じ。
それでも実年齢的には15歳らしく、その若さから才能の片鱗も感じさせる。

ただ、自称20歳を公言していたり、彼自身に碌でもないと言わしめるような兄の存在が匂わされていたりとかなり本人にも謎や秘密は多そう。
人魂に囲まれ奇象と対峙した化野アビがみんなまとめて地獄に道連れにすると言い放っている場面

引用:あだしの奇象官1巻より

どんな過去が彼をこれ程までに追い込んだのか

あとは化野から先輩と呼ばれている常に彼の近くの物に憑依している存在も気になる。
化野の好物らしきたい焼きやら、食事中の鮭の切り身やらに憑依していて、妙に愛らしい見た目なのが個人的にちょっと好き。

一応2巻以降に本体の出番があるらしいことも匂わされていたりしてその辺の詳細も気になるところ。

全体的に奇象という現象の面白さに加えて、化野 アビという主人公にも多くの謎が用意されている所も本作の大きな見所の一つだったと思うね。

3.超常が相手故の切なさやハートフルさ

奇象という超常現象、オカルトなモノをテーマとしている事もあって、全体的な内容が何処か切なさやハートフルな読後感のものが多かったのも本作の魅力だったな。

上でも少し触れたように起こってしまった事象の減災による対応しかできないという世界観がより作品内の無慈悲さ、残酷さを際立たせていたね。
発生した奇象にまつわるバックボーンが語られている場面

引用:あだしの奇象官1巻より

怪異自体にもバックボーンがあり何とも切ない

1巻だとやはり、神隠しの沼のエピソードはバックボーンを考えるとグッときたな。
お金持ちの令嬢と貧乏人の一般人。
そもそもの入りから大分切ないのに、そもそもの沼の成り立ちもかなり切ないものがあって何とも心揺さぶられるような内容に仕上がっていた。

もちろんもう一つのエピソードである薬局の兄弟愛がテーマの物語の顛末もハートフルで良かったと思うしね。

故にこの奇象という現象が読者としても恨めしい限り。

1巻の段階でも多角的なエピソードが展開されていく訳だけど、2巻以降では更にどんな奇象が登場し、どんな角度の物語が描かれていくのかも気になる所だね。

総評

超常現象やオカルトを奇象という災害として対策していくという設定が凄く面白かったな。

内容もハートフルだったり、切なかったりと心揺さぶられる感じもかなり良かった。

そして何と言っても主人公の化野や先輩と呼ばれる存在など登場人物にも謎が多く、今後彼らのバックボーンがどういう形で明かされていくのかが楽しみだね。

そんな、実世界に近い形で発生する超常現象に立ち向かう青年の心揺さぶられる物語。

気になった方はぜひ読んでみて欲しい。

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