引用:ふつうの軽音部1巻より
[ふつうの軽音部 感想]王道の成長展開と人間関係のスパイスが絶妙な学園ドラマ[漫画]
あらすじ
高校に進学し前々からやりたかったギターを始め、軽音部へと入部した鳩野 ちひろ。陰キャでただでさえ友人を作るのが苦手な鳩野だったが、軽音部の中で様々な人間関係に遭遇しながらもバンドを結成し自分のやりたかった事へと邁進していく。
はたして彼女の軽音部生活には何が待ち受けているのか。
努力家な彼女はいっぱしのギターボーカルへと成長できるのか。
といった感じの軽音部学園ドラマ漫画。
作品、作者情報
2025年12月4日現在、既刊9巻。ジャンプ+にて連載中。ジャンプ+公式サイトにて第1話から第8話、最新話の3話の無料試し読みが可能。
次にくるマンガ大賞2024 Webマンガ部門1位。
原作は「クワハリ」という方で、現在は本作のみの連載。
漫画は「出内テツオ」という方で、過去に「野球場でいただきます」などを連載していた。
ここが良かった!
1.王道展開と部内の人間模様の面白さ
物語全体が王道展開が多く、テンポよく友情や努力、そして鳩野を含めたバンドメンバーたちが少しずつ前向きに成長していく姿が描かれるのが凄く面白かったな。主人公の鳩野は基本的に割と一般人の能力しか持っておらず、ギターは高校から始めた初心者だし、唯一の個性っぽい歌声も序盤では声が大きくて迫力はあるけど、独特な声質というのが周りからの評価。
そんな彼女がひたむきにギターや歌に向き合って練習していく様に胸が熱くなったんだよね。
引用:ふつうの軽音部1巻より
素人同然の鳩野が成長していく姿に胸が熱く
いくら練習が必要だと分かっていてもそこそこの広さの公園で弾き語りなんて中々出来ないと思う。
あそこまで遮二無二努力できる主人公は貴重だしかっこいい。
こういう修行パートとかは王道な少年漫画っぽくて良いよね。
他にも、バンドメンバーが揃っていく過程のも熱く面白い。
加入までの流れの人間模様が多少複雑なのと、経験者を含めた上で、全員がそこまでハイスペックじゃない現状も等身大感あって良いし、目標となる部内でのライバルっぽい立ち位置のバンドがいるのも王道な感じがして今後が楽しみなんだよね。
あとはやはり部内の人間関係が絶妙なスパイスになっていたのも個人的には刺さったな。
部内恋愛だったりバンドの結成や解散、それぞれの内部事情。
意外とシビアだったり、切なかったり、ある意味で学生らしい人間関係が描かれてこちらの展開も同様に面白い。
軽音部なら部内恋愛とかもめそうな感じはあるもんね。
バンドも大人ですら色々とあるのに多感な学生なら尚更。
そういうのを王道の主人公の成長展開の裏でしっかりとドラマチックに描いているのはハラハラドキドキさせられて面白い。
全体的に王道さと人間模様の描き方のバランスが絶妙で今後の展開も気になるし、世間で評価される理由の分かる魅力満載の作品だったな。
2.音楽に触れたくなる楽曲選びと演出
個人的に作中で扱う楽曲がめちゃくちゃ良いのも本作の大きな魅力だと思ったね。1冊の中で、そこまで多くは無いものの鳩野たちが歌う形で現実に存在するいくつかの楽曲が登場する。
この時の歌詞の出し方、文字の演出の仕方がとにかくめちゃくちゃ刺さった。
僕自身が音楽シーンにそこまで明るくないので原曲を知らないことも多いものの、それでも歌詞の真っ直ぐで純粋な内容がガツンとハートにぶち込まれるようものが多くめちゃくちゃ刺さりまくりだったな。
気になって新たな楽曲が登場する度に毎回Spotifyのお気に入りに入れまくっちゃった程。
引用:ふつうの軽音部1巻より
歌詞の表現、コマの演出で刺さる楽曲だらけ
あの曲は何年か前に聴いた時からめっちゃ好きでカラオケでも時々歌っていたから素直に嬉しかったな。
もちろん、扱われている楽曲の良さだけでなく、それを演奏している楽し気で熱量の高い軽音部のメンバーの空気感も凄く好き。
昔ちょろっと楽器でもやろうかとキーボードとか買って、結局やらずじまいだったけど、なんだかもう一度挑戦したくなってきた。
そういう読者の心に熱を注ぎ込むような見せ方も凄く上手かったと思うんだよね。
今後も作中でどんな素晴らしい楽曲を扱ってくれるのか、漫画を読むのと同時に登場した曲を耳で聴くのも楽しみだね。
3.軽音部のメンバーは個性的で魅力満載
軽音部の1年から3年まで丸々が登場人物なのでかなり色んな個性の登場人物が出て来る上、それぞれの人間関係、人間模様が展開されるのが魅力満載だったな。流石に全員は書ききれないので主要な人物と個人的に好きな人物のみについて軽く触れておく。
主人公の鳩野 ちひろ。
ギターの腕前は高校からなのでしっかりと素人。
明らかに他の軽音部の面々に比べて腕は劣るものの、そこで折れずに真っ直ぐに努力家なところが個人的には凄く好きだったね。
一方で歌声には特徴があるらしき描写が多く、そこに魅了された人々がバンドメンバーには多かったりするのも興味深い。
現実だと誰のどんな声をイメージしているのか作者に聞いてみたい感じが凄くしたな。
ちなみに趣向としては歴史好きでもあるらしいのと、若干家庭が複雑。
鳩野の歌声信者のベース幸山 厘。
鳩野の歌声に惚れ込んだある意味では狂信者。
常に部内や学園内の裏で暗躍して周囲の人心を操るとてつもない策士。
高身長、おっとり雰囲気、変人という個人的には好きなビジュアルと空気感ではあるものの、あまりの策士ぶりに好きなキャラというには二の足を踏んでしまう曲者。
多少その後のフォローはするものの部内の人間関係を掻き乱しまくる姿には賛否ありそうな人物。
引用:ふつうの軽音部1巻より
鳩野の狂信者である厘の言動から目が離せない
基本的に明るく真っ直ぐで可愛い。
色々と悩みも多いけど頑張って欲しいと思える好人物。
過去にバンドを組んでいた経験から部内でもそこそこできる側。
でも前のめりになり過ぎてリズムが走りがちらしい。
趣向としてはちょっと変わった動物が好きならしい。
文化祭編でやたらと変な動物のオブジェクト作って楽しそうにしていたのはシンプルに可愛かったな。
桃と昔馴染みのギター藤井 彩目。
ツンツンとして歯に衣着せぬ物言いが多い。
個人的には割と好きな空気感。
元々、桃とは小学校での知り合いで彼女の存在に救われたらしい。
その辺の事情から彼女への憧れがある様子。
ちなみに学年最下位レベルで勉強が出来ないらしい。
3年のたまき先輩。
可愛い見た目と明るい性格とは裏腹にバンド名が性的カスタマーズだったり、銀杏BOYSが好きだったりと中々に尖っている人物。
過去編の内容とか後夜祭のライブシーンとか見せ場が多く、胸が熱くなったな。
あと個人的には軽音部じゃないけど鳩野のクラスメイトかつ友人の矢賀が割と好き。
陰の者同士、鳩野と気が合う感じが見ていて微笑ましいのと、友人想いな場面が多いのも個人的には印象に残ったな
どうやらピアノを昔からやっているらしく、キーボードとしての加入もあるんじゃないかと密かに楽しみにしている。
あとは男子メンツも遠野とか水尾とかは好きだったな。
遠野の桃のことが好きだけど、照れて裏腹なクール態度をとっちゃう感じはなんだか学生っぽくて良いよね。
水尾の思考が読めないけど鳩野に対してグイッとくる感じもなんだか見ていてドキドキして好き。
バイト先が同じとか実は同じ中学の出身とかフラグが立ちまくっているのにはワクワクする。
鳩野の恋愛模様が描かれるのかは謎だけど、二人の関係性がどうなるのかはやっぱり気になっちゃうよね。
他にも当然、良い意味でも悪い意味でも個性的な軽音部のメンバーが多く、彼ら彼女らが今後どういう人間模様を生みだし、作品に魅力を加えてくれるのかも楽しみ。
総評
楽器初心者の鳩野がしっかりと努力して成長し、仲間や友人も増えてバンドを結成したりと物語がテンポ良く前に進んでいく王道展開が多くて凄く面白かったな。人間関係のもつれや恋愛のこじれといった部内やバンド内のいざこざエピソードがどこか絶妙なスパイスになっている所も凄く良かった。
あと単純に作中で使っている楽曲がどれも刺さりまくり。
どの曲も気になってついつい調べてしまうほどに魅力的だったな。
それとやっぱり登場人物も魅力満載。
ビジュアルのキャラ属性もそうだし、それぞれが微妙に切ない過去や人間関係があっても前向きに頑張って行こうとしている姿勢にも胸が熱くなる。
日常風景でのほのぼの感も丁度良い微笑ましさで好きだしね。
まだまだ現段階では鳩野は自分の実力だけで全てを勝ち取る程の最強主人公ほどに成長はしていないものの、ここから残りの学生生活でどこまで上り詰めていくのか、今後の物語展開が凄く楽しみだね。
そんな、楽器初心者からの成長という王道と人間関係のスパイスが絶妙な学園ドラマ漫画。
気になった方はぜひ読んでみて欲しい。
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