[ザ・キンクス 感想]ちょこっと独特な家族のちょこっとシュールな日常コメディ[漫画]
ザ・キンクス1巻の表紙

引用:ザ・キンクス1巻より

[ザ・キンクス 感想]ちょこっと独特な家族のちょこっとシュールな日常コメディ[漫画]

あらすじ

父の隅夫、母の栗子、息子の寸助、娘の茂千の4人家族の錦久家。

一見普通の家庭に見えるけど、彼らの日常の隙間にはちょこっとシュールで少しだけ刺激的な出来事が入り込んでくる。

そんな出来事の1つ1つを持前の個性を活かし家族で力を合わせて乗り越えていく。

といった感じの家族系シュール日常漫画。

作品、作者情報

2025年10月23日現在、既刊3巻。コミックDAYSにて連載中。


コミックDAYS公式サイトにて第1話と第2話の無料試し読みも可能。

作者は「榎本俊二」という方で、現在他にも「アンダー3」を連載中。
過去に「GOLDEN LUCKY」や「えの素」等を連載していた。

ここが良かった!

1.錦久家の日常に潜むシュールな面白さ

まず、錦久家の日常の中にうっすら見え隠れするちょこっとシュールな展開が絶妙な塩梅で面白かったな。

飛び抜けてギャグ方向に振り切るのでは無く、微妙な違和感やシュールさでフフッてなるような笑いを構築していってるのが個人的には心地よかったね。

例えば1巻だと母方のおばあちゃんが孫である寸助を迎えに行くくだりには妙な面白さがあったな。

迎えに行くためにおばあちゃんがメリーさんの様に日に日に学校に近づいていくんだけど、その時のやり取りが毎回同じっていうのが何ともシュールで面白かった。

あとはおばあちゃんの挨拶の仕方関連とか。
最初はこの人特有の挨拶なのかと思いきや話数を重ねる毎に他の人もやっていてこの町の特色なんだなーとか思わさせられる所とかも妙にクスッときたね。
ソファに埋まりこみデイケアサービスに行きたがらない義理の父の行動への違和感を述べるも義理の母から辛辣な事を言われる隅夫

引用:ザ・キンクス1巻より

全体的にちょこっとシュールに展開して面白い

他にも三者面談がファミレスだったりデイケアサービスの車からアームの様なものが飛び出しておじいちゃんを連れて行ったりと所々にちょびっとだけ非現実でシュールな世界観の面白さなんかもあったりしてそういう所も個人的には好きだった。

あと、笑うっていうのとは少し違うけど、1話目の展開が妙に隅夫が小説家という設定にふさわしい展開だったのも結構ツボ。

読後に妙な納得感というかスッキリ感があってギャグマンガの内容とは思えない程に感心してしまったな。

隅夫が小説家という設定が活かされた要素は随所に散りばめられていて小説教室のエピソードや寸助の送り迎えの時のやり取りでの作り話とかギャグとかコメディとはまた違った妙に興味深い面白さがあるのも本作の魅力の1つだったな。

普通に寸助に話していたエピソードも続きが気になってくる。

全体的に言語化するのが少し難しい作品ではあるものの、日常系のちょいシュール作品として面白かったので、今後どんなアイディアが作中に表現されていくのかは楽しみだね。

2.個性派な家族とやり取りの面白さ

タイトルもザ・キンクスと付いているだけあって、ある種のキャラ作品という感じで錦久家の家族間のパワーバランスとそれぞれの個性は結構ユニークで見ていて飽きない。

キャラ設定自体も凄くシュールとか現実から逸脱している訳じゃないんだけど、そこら辺のどこにでも居そうだけど妙に味のあるキャラが多くてかなり魅力満載。

まず、家族の父親であり小説家の隅夫。
小説自体の作風はシュールなSFとかミステリーっぽい感じ。
特別明記されている訳じゃないけど1話の内容とか見ているとそんな気がする。

結構な人気作家らしく忙しいらしい。

その上、家事育児全般もこなす今時の出来る父親といった感じ。
しかも小説教室まで開いているという結構なバイタリティ。

上でも触れたけどこの小説教室での小説の書き方講座は普通に興味深い内容だったな。
自分自身でも少し試してみたくなる様な目からウロコが落ちる内容。

見た目は大分野暮ったい。
でも妻の栗子のワガママに言葉では冷たくあしらうものの、大抵は裏でキチンとこなしてくれる優しい男でもある。

1話でも結構な身を削ってたし。

この男がいなかったらこの家族は崩壊するんじゃないかと思う位に見た目に反してバランサーの役割を担っている気がする。

母親の栗子。

普段は疲れきった雰囲気だけど見た目的にはかなりイケイケな感じでフルメイクするととんでもない美人へと仕上がる。

学生の頃はバンドとかもやっていたらしい。

割とグータラな性格で少なくとも作中で描かれている場面ではソファーで寝ていることが多く家事とかもあんまりしないし、常識とかも薄いし、割とワガママ。

一見するとマイナス要素の塊に思えるけど、家族の困り事にはちゃんと手を貸す一面もあったりして意外と憎めない。

花火大会のエピソードでは感覚派ではあるものの頼もしい一面を見せたりと意外と魅力的な人物でもある。

正直この二人がどうやって出会い、結婚までたどり着いたのかというバックボーンが非常に気になる。
茂千の三者面談にどっちが行くか話し合う栗子と隅夫

引用:ザ・キンクス1巻より

一家のちょっとしたやり取りはほのぼのとする

息子の寸助。
小学校低学年と言った感じの見た目と性格。
割と好奇心旺盛で見ていて飽きない程よい子供キャラ。

目立った活躍こそ1巻の段階では無いもののいるだけで場が和やかかつ明るくなる絶妙なポジショニング。

娘の茂千。
おそらく中学生。

独特な目付きをしていて個人的には惹かれる存在。
活発な寸助と比べておっとりしていて若干不思議ちゃん、ポンコツちゃんな感じもする。

作中でもやんわり触れられていたけどその辺は母親似ということなのか。

この一見するとまあまあ現実にもありそうな家族構成かつ、絶妙にほのぼのとした各々の個性から繰り出されるちょこっと非現実的なやり取りがなんとも笑えるし和む。

あと、母方の爺さん婆さんも本人との血筋を感じさせる仕上がりになっていて登場すると毎回面白い。

クセ強めの爺さん婆さんキャラ好きなんだよね。

それにしても地味に婆さんの方が隅夫に似ているのは何かの伏線なのだろうか。

そして隅夫サイドの爺さん婆さんはどういう存在なのかも今から物凄く気になってしまうね。

3.妙にデザイン性高い演出も魅力の1つ

単行本についていた帯や広告でも触れられていたけど、妙にデザイン性の高い演出や描写とかも読んでいて引き込まれたな。

毎話のタイトル演出とか。
およそコメディやギャグ漫画とは思えぬ壮大なタイトルの演出には妙な面白さがあった。

第1話の段階から劇の台詞の描写にも力が入っていてここからどういうオチを付けるんだろうって引き込まれる要素の1つにもなっていたしね。

あとは花火大会の後の光る飴の描写とかも面白かったな。
暗闇と飴のコントラストの美しさもさることながら、妙にホラー的な不気味さもあったりして個人的には好きなエピソードだったな。
暗闇で光る飴を持って走り回る寸助とそれをたしなめる隅夫

引用:ザ・キンクス1巻より

所々に垣間見えるデザイン性も個人的には好き

全体的に日常コメディとは思えぬ妙に力の入った描写の数々はそのアンバランスさからくるシュールさで場面によっては思わずクスッときてしまう面白さがあったな。

一応この描写やデザイン性が本作の見どころの一つという事らしいのでこの辺りが巻数を重ねる毎に今後どうなっていくのかも楽しみな所だね。

総評

がっつり笑うという作風じゃないもの、妙な空気感とシュールさで細かい笑いが連続していて面白かったな。

家族それぞれの個性も突飛ではないものの、まだまだ秘めたポテンシャルが多そうで今後が気になる。

特に1巻の段階だと両親2人の馴れ初めはめちゃくちゃ気になる。

一体どういう流れでこの二人が結婚したのか、現状の生活様式にたどり着くまでに何があったのか。
この謎がどう明かされるのかは興味深いね。

あと個人的には個性全開の栗子サイドの祖父母はもっと見ていたい存在。
こっちはどちらかというと個性強めのギャグ要員って感じだしね。
そういうのは個人的に好き。

デザイン性高い描写の方も今後どういう手法で彼らの日常に上手く落とし込んでくるのか、この辺りも気になる所だね。

そんな、ちょこっと独特な家族のちょこっとシュールな日常コメディ。

気になった方はぜひ読んでみて欲しい。

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