氷の城壁1巻の表紙

引用:氷の城壁1巻より

[氷の城壁 感想]思春期特有の空気感、関係性が丁寧に描かれた学園青春ストーリー[漫画]

[氷の城壁 感想]思春期特有の空気感、関係性が丁寧に描かれた学園青春ストーリー[漫画]

記事内の作品おすすめポイント要約

  • 思春期特有の心の葛藤や揺らぎが丁寧で惹き込まれていく

  • 登場人物たちの関係性や立ち位置、バックボーンからも目が離せない

  • それぞれの恋愛模様の空気感、展開も程よいハラハラ感で読み応えがある

こんな人におすすめ!

  • 恋愛や思春期の苦悩が丁寧に描かれている作品が刺さる人

  • 登場人物たちの恋愛模様や関係性によるハラハラ感に惹き込まれる人

  • 辛さや悲しさだけでなく心温まるハートフルさにも魅力を感じる人

あらすじ

クラスメイトから氷の女王と呼ばれるほど、他人と壁を作っている高校一年生の氷川 小雪。

居心地の悪さは感じつつも、その距離感を保つことで、どこか安心感を得ていた氷川。

しかし、そのことに少しだけ罪悪感を覚え、一人で笑顔の練習をしていたところを別のクラスのお節介男子である雨宮 湊に見られてしまい・・・。

といった導入の学園青春漫画。

作品、作者情報

全14巻。元々LINEマンガで連載されていた。
出版社は集英社。

LINEマンガ公式にて第1話から第25話までを専用アプリを使うことで最終話までの無料試し読みも可能。

時期は未定だがアニメ化が決定している。


氷の城壁のアニメ公式サイトはこちら


作者は「阿賀沢紅茶」という方で、過去に「正反対な君と僕」を連載していた。


→ [正反対な君と僕 感想]真逆な二人の恋愛模様と温かな登場人物たちに和むラブコメ[漫画]


現状、作者や作品のwikipediaの日本語ページは無し。
何故か英語のwikipediaページはあったのでそちらは参考までに。


氷の城壁の英語のwikipediaページはこちら


過去エピソードを除いて基本的にはフルカラー。

最新刊まで読んだ段階での1巻の内容を中心とした感想で、できるだけ初見の楽しみを味わってほしいのでネタバレは極力控えた記事内容にしています。


ここが良かった!

1.思春期特有の空気感の丁寧な描写

メインの登場人物たちの思考や立ち位置が読者それぞれが思春期になんとなく思っていたこと、感じていたことを代弁しているような、ある種のリアリティを感じられたところがとても面白かったな。

学生時代のこんなことあったなーとか、こういうことをモヤモヤと感じていたなーっていう感覚がかなり等身大の空気感で描かれているのが個人的に結構刺さったな。

登場人物もそれぞれ絶妙なラインで性格やタイプが違っていて、自分が誰に似ているかでキャラの好き嫌いとかが分かれそう。

こういうところも面白い。

思春期特有の日々に感じるモヤモヤとした灰色さとそこに少しずつ青春の色がつく感じがたまらないね。

本編全体がフルカラーっていうのが更に良さを引き出している。

特に氷川が感じる、集団になると馬鹿なことをする人たちや、コミュニケーションとして他人をディスることがむしろ正しい、みたいな風潮に対して嫌悪感を抱くみたいな感覚は凄くわかる気がしたな。

少なくとも僕も学生時代ではこういう空気感は多々感じた。

自分がそれをしてしまう側に立っていなかったという明確な自信は無いけど、少し気をつけなきゃなとか考えさせられる感じも面白かったね。
周りのノリに馴染めず自分が異端者であるように感じている氷川

引用:氷の城壁1巻より

学校生活の中での感情が丁寧に描かれている

あと、一人でいる方が楽で楽しい、でも誰かと楽しく過ごすのもそんなに悪いもんじゃない、どっちが本当の自分なんだろう、みたいな悩みもこのくらいの年齢特有な気はしたな。

多分どっちも本当の自分で、そのバランスが大事ってことなんだと思うけど、こういうことはとかく思春期では悩みがち。

こういう思春期特有の集団との接し方、集団においての自分のポジション、自分自身の本当に居心地の良いポジション。

みたいなことが結構リアルに描かれていて、分かるなーって思いながらグイグイと読み進められて面白かったな。

自分とはあまり似ていない境遇や立場のキャラクターの思考や立ち振る舞いもどこか参考になるというか興味深くてそういうところも良かったな。

全体的にこれからどうなっていくんだろうというハラハラ感もあって続きを読むのが本当に楽しみ。


2.登場人物達の立ち位置、思考、魅力

上でも少し触れたけど、登場人物それぞれが色々と苦悩を抱えていたり、性格も大分違っていて見ていて面白い。

それぞれが性格や雰囲気が違って相性も合わなさそうな面々が結果的に集い、共に学園生活を送るその空気感も良いんだよね。

まずは本作の主人公ポジションに近い氷川。

クールで近寄り難い雰囲気を出している。
過去の諸々の事情によりタイトル通り人との間に城壁を作っている。

単純に表情が硬いせいで勘違いされがちっていうのもあるんだろうけど。

本作での彼女の心の成長、心境の変化が本当に面白い。

最初こそ壁を作っていて氷の様な表情を浮かべているけど、それが段々と相性の良い相手には色んな表情を見せていく感じとかたまらなく良かったな。

クールな顔鋭い目つきから時々見せる多彩な表情の感じ好き。

特に心を許した人たちの前では普通に良い表情見せるのとか破壊力高い。

氷川の幼なじみの安曇 美姫。

クラスでは猫かぶって笑顔で清楚な雰囲気を出してはいるけど、本来はガサツで過去にゴリラ女と呼ばれていたほど。

基本的に分け隔てない性格は生来のものっぽい。

見た目の美人さ故にちやほやされ、素を出せないことに悩んでいる。

割とアクティブ。

でも勉強はできない。

氷川との本当に仲良く過ごしている空気感めちゃくちゃ良い。
普段恐ろしい表情の氷川の素直な笑顔は可愛い。

でも氷川に対しに中学時代の出来事で少し負い目を感じている様子。

そんな彼女の偽りながらの日常も巻数を追っていく毎に少しずつ変化、怖がらずに少しずつ素を出していけるようになっていく展開も心温まる感じがして凄く良かったな。
美姫がどんな人でも合う人は残ると本人に優しく語りかけている氷川

引用:氷の城壁1巻より

真逆のタイプなのに仲良さそうな感じとか最高

日野 陽太。
でかい。
天然だけど勉強はできる。

独特なゆったりとした空気感で氷川の心の城壁も容易く飛び越えてくる天然のタラシ。

この2人の空気感も凄い好きだけど多分、ヨータは美姫のことが好きっぽい。

個人的には凄く良い奴だと思う。
天然で人にやさしくできる、距離感の取り方が上手いタイプ。
不必要に人を傷つけるような言動もないし。

実際彼の優しさによって氷川が救われている場面も多いし、壁作りの天才氷川が美姫と同じくらい素の表情を見せられる数少ない人物。

こういう友達って良いよね。

ただ、彼にも色々と事情があって、その辺の話が語られる展開はかなり切ない。
そしてその後の展開にはほっこりする。

本当に良いキャラしている。

雨宮 湊。
1人寂しくしている人を可哀想に思いほっとけない人らしい。
故に誰にでも気軽に話しかける。

歴代の彼女もそんな感じでできるけど、本人にそれ以上の感情が無いからすぐフラれる。

その行動に救われている人がいるのも事実だけど、若干いけ好かない感じはある。

なんというか、少し人を試しているような、心の壁、扉を開けるのを楽しんでいるような ちょっとサイコみを感じる。

個人的にはあまり好きではないけど、彼の考え方も分からないではないだけに複雑。

寂しそうにしている人や孤立している人をなんだか放っておくのは違う気もするっていう感覚自体は分かる気はする。

それが本人にとって必要なことなのかっていう問題はあるけど。

氷川のことも可哀想に思い近づくけど、根本的な考え方が違いすぎてすれ違いまくり。

めちゃくちゃ苦手意識をもたれている。

でも巻数を追う毎にお互いの苦手意識も薄れてきて、色々と進展していく感じも凄く良い。

全体としてそれぞれメインの登場人物たちが割とハッキリと性格の違いが分かれていて関係性がどう変化していくのか目が離せない。

こういう展開も本作の面白いところだったね。


3.関係性や恋愛模様から目が離せない

それぞれが友情と恋愛感情が入り交じった複雑な関係性というのも読んでいてハラハラして面白い。

まだ完結まで読んだわけじゃないから、どういう好意の矢印が誰に向いているのかは明確では無いけど、なんだか複雑な関係性になりそうで1巻の段階から結構ハラハラする。

なんというか現段階での印象としては四角形みたいな構図になっていそう。

個人的には現状だとあの鉄壁の城壁をいとも容易くくぐり抜けた陽太と氷川がこのまま仲良しでいて欲しいけど、陽太が凄く良い奴故に美姫のことを好きなんだとしたらそれが上手くいってほしい気もするし悩ましい。

皆が納得する丸い形に収まってくれたら良いし、元々仲良い組み合わせが争うような形にはなって欲しくないけどどうなんだろうか。

こういうところが凄くハラハラするけど、同時に続きが気になってドンドン読めてしまうのが本作の面白い部分なんだよね。
陽太と氷川が仲良さげに話しているのを釈然としない様子で見ている雨宮

引用:氷の城壁1巻より

全員が幸せになれる結末が待っていて欲しいね

あと、関係性の変化によってそれぞれの登場人物たちの心の成長がしっかりと描かれていてそのどれもが心温まる展開というのが読んでいて本当に面白い。

最初は氷川の心の成長だけなのかと思いきや、美姫や陽太、湊に至るまでそれぞれの関係性の中で前向きに成長していく感じは本当にほっこりする。

こういう暖かな空気感の作り方が上手く、丁寧っていうのも本作の大きな魅力の1つだね。

総評

思春期の頃に自分がモヤモヤと感じていた空気感みたいなものをリアルに描いているなーっていうのがまず面白かったな。

流石にここまでハッキリと意識したことは無かったけどある意味で青春の暗部のあるあるが描かれていて、多少憂鬱にはなるものの、そこからの登場人物の成長もしっかりと描かれていて心温まる展開も多く面白かったな。

氷川の心境の変化や心の成長でポジティブな方向に少しずつ物語が転がっていく感じも凄く良かった。

それぞれの登場人物も性格の違いが明確に分かれていて、そんな人達がどういうふうに過ごしていくのかっていうのも注目度が高い。

関係性や恋愛模様も良い空気感で描かれていてメチャクチャ見所が多いんだよな。

願わくは全員がギスギスしないような大団円で終わって欲しいけど、どうなんだろう。
少しハラハラしちゃう。

そんな、思春期特有の空気感、関係性が丁寧に描写された学園青春漫画。

気になった方はぜひ読んでみてほしい。

著者プロフィール

gemaikiのアイコン gemaiki

ゲーム・漫画の感想やレビューブログの運営4年目。
プレイヤー目線での素直な感想を心がけながら更新中。

ラブコメ大好き歴は優に20年以上。
王道ラブコメからコメディ色強めのラブコメまでありとあらゆる作品を摂取しまくり。
イジらないで、長瀞さんとか宇崎ちゃんは遊びたい!みたいな距離感近い系ラブコメが大好物。
最近だと、いとこのこや今日から始める幼なじみとかが最高。

ネタバレは極力避け、購入に悩んでいる方の背中を押し、出来るだけ初見の楽しみは奪わないレビューを心がけています。

直近に累計10万PVを超えました。感謝!

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