[違う星のぼくら 感想.評価]目的秘匿型の協力謎解きというユニークさが魅力[ゲーム]
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[違う星のぼくら 感想.評価]目的秘匿型の協力謎解きというユニークさが魅力[ゲーム]

どんなゲームか

地球から飛び立ち、異星の調査へと赴いたとある事情を持った3人の男女。

コールドスリープを経て安全に惑星の周回軌道上から調査を行うはずだったが、何故か宇宙船は惑星に不時着。

その上メンバーの1人であるリカが行方をくらませてしまう。

船を再び離陸させるための部品を確保すべく、先行調査用のドローンを探すことになった二人だったが、不気味な惑星の生態系や謎に阻まれることとなる。

はたして彼らは無事にこの惑星から脱出することが出来るのか。
そして二人がそれぞれに秘匿しているバックボーンとは何なのか。

といった導入の目的秘匿型の協力謎解きゲーム。

作品情報

2025年4月25日発売。開発元は ところにょり。

対応プラットフォームはSwitch、Switch2、Steam版などのPC。

価格は710円。

二人プレイ専用の謎解きゲーム

互いに目的やバックボーンを秘匿しながら進む展開

前作同様に協力プレイが重要な謎解き、パズル要素

惑星からの脱出のために展開される物語

過酷な状況で迫られる悩ましい選択肢

周回要素によってエンディングなどにも変化が

発売後の無料アップデートによって追加エンディングも

といった特徴がある。

違う星のぼくら公式サイトはこちら

プレイ環境と状況

Switch2版をモニターにて友人とマルチプレイ。

一通りメインストーリーをクリアし、入れ替わりで二周目をクリア。
三周目にて無料アップデートで追加されたエンディングまでを確認した段階での感想、評価。

ちなみに前作の違う冬のぼくらもクリア済み。

[違う冬のぼくら 感想.評価]異なる視点情報を共有する謎解きと切ない物語が魅力[ゲーム]

X(旧Twitter)でのプレイ当時の僕の感想。

要素毎の感想と評価

1.協力プレイ専用謎解きの面白さは健在

まず、何と言っても本作の肝である協力謎解きが全体的に進化していて凄く楽しかったな。

前作にもあったような、互いに情報が無い中で絵柄を合わせたりするものや、見えている視点の違いが活きてくるようなもの、危険な生物を協力によってどう倒すか、などなど本当にギミックのレパートリーが豊富で面白かった。
プレイヤー同士互いに異なる視覚情報の中謎解きをしている場面

視覚情報が違うギミックは今作でも健在だった

割と前作以上にアクション性やスピード感が要求されるものも多かった気がして、ハラハラドキドキ感も一層パワーアップしていたね。

個人的に本作で1番印象に残っているギミックはやはり惑星の不気味さをモチーフにした、声系謎解きだったな。

指と口と赤ちゃんの泣き声という単純な絵面の不気味さと、音周りの不気味さもさることながら、そこに絶妙に分かりそうで分からない謎解き要素を加えてきたのがめちゃくちゃ記憶にこびり付いた。

多少、解けなくて引っかかったというのもあるけど。
不気味な口のような物体と宙に描かれた模様をヒントに謎解きをしている場面

不気味な世界観を活かしたギミックも印象的

ちなみにとあるギミックで前作要素が出てきたのには結構グッと来たな。
ただの演出なのか、あえて繋がりを感じさせる残し方をしたのか。

追加されたエンディングまで見た後だと何となく分かる様な気もするところが良いよね。

あと、前作以上に一つ一つのギミック全体に対しての動線もかなり丁寧で、最初に一つか二つ簡単な解き方を見せてから本ギミックへと入っていくので、ある程度何をすれば良いのかという全体像が掴みやすいところも素晴らしかったと思うな。

2.目的秘匿型の協力ゲームという緊張感

今作は前作と明確に違う協力主体のギミックとしてそれぞれのプレイヤーが相手に対して目的を秘匿しているという面白さがある。
個人的にこれが結構独特な新鮮味があって楽しかったな。

普通、目的秘匿型となるとあまり協力という感じじゃなくて相手を出し抜くような対戦ゲームに多いイメージだけど、本作は協力がメインな所にその要素を入れ込むというのは既にユニークさを感じた。

ネタバレになるので詳細については深堀りしないけど、冒頭にてそれぞれのプレイヤーに個別に目的が明かされる。

この辺のムービーややり取りは前作同様に一部マイクをミュートして個々に展開を追う感じ。

そのため自分の目的は隠しつつ、逆に相手はどういうスタンスで自分に向き合ってくるのか、というのを頭の片隅に置いておく必要が出てくるので独特な緊張感が常にある。

これが凄く面白かったな。
もう1人の主人公に対して秘めた意味深な発言をする主人公

相手に目的を秘匿しつつ協力する緊張感が良い

特に要所で発生する選択肢においては相手がどんなリアクションをするのかが物凄く気になって、物語への一体感や没入感はより一層深まった気がしたね。

本作においては割とコンパクトな物語が展開するため、中盤辺りでは何となく相手の立ち位置が読めてしまう部分もあったけど、個人的には凄く可能性を感じる設定、要素だったと思うので、こういうのをもっと深掘りした切り口の作品も遊んでみたくなった。

ちなみに前作同様に相手プレイヤーのムービー待ちではミニゲームもある。
こういう遊び心は大好きだけど結構シビアなシューティングゲームになっていて前作以上に難しかったな。
相手の進行待ち中に遊ぶことが出来る、見下ろし型で迫り来る敵を銃で倒していくミニゲーム

前作同様に相手待ちのミニゲームも楽しい

3.惑星脱出と不気味な空気感の物語

本作の主軸である物語もグッと惹き込まれる内容で凄く楽しめたな。
薄れゆく意識の中であの星のことを考えていたと回想する主人公

最後まで遊ぶことで冒頭すらも味わい深い

基本的な流れとしては不時着してしまった宇宙船を再度使えるようにして、惑星からの脱出をはかるというもの。

そのために探査ドローンのパーツを取りに向かい、道中でこの惑星の不気味さや真実を目の当たりにするという感じ。

そこまで大ボリュームな内容ではないものの、コンパクトに世界観や設定、物語がまとめられていて個人的には凄く楽しめたね。

今作の目玉要素の秘匿すべき目的部分である両者の物語、バックボーンにもしっかりと惹き込まれたし。

周回、追加エンディング部分も含めて個人的には物語としてのオチも割と好きだったな。

4.前作同様の緊迫した選択肢の要素

前作同様に緊張感のある選択を迫られる場面がある所も個人的には面白かった部分だったね。

流れとしてもプレイヤー二人で決を採るタイプなのは変わらず。

どの選択場面も直前の流れや自身の秘匿した目的があるため二人の間に少しピチッとした空気感が流れるのが個人的には面白かったな。
リカに銃を渡すか渡さないかの2択を迫られている主人公たち

目的秘匿要素のおかげで選択肢にも緊張感が

もちろん選択によってその後の会話ややり取りにも多少変化が発生する。

ただ、大きな分岐などのインパクトはあまりなく、強いて言えば周回要素のところでも少し触れるけど、若干ステージギミックが変化するのはどちらの影響なのかといった感じ。

個人的にはもう少し明確に色々と変化したり、目的に対して緊張感のある2択でも良かったと思う。

とはいえ、本作におけるとあるギミックを活かしたラストの選択肢に関しては瞬間的に全てを理解した時には鳥肌が立ったけどね。

あれは全体の流れを考えても良いギミックだったと思う。

選択肢に関しては多少賛否ある気がしたけど、個人的にはこれくらいでも十分満足ではあったかな。

5.周回によるエンディングの変化や追加

前作同様に同じプレイヤーとの周回プレイによりエンディングなどの内容にも変化が発生するようになっている。

まず、二周目では初回に選んだ主人公とは別の人物に強制的に変更される。

基本的にはその後のギミックは視点が違う以外は同じだけど、上でも少し触れたように選択肢なのか、周回の影響なのか、一部のギミックには根本的な解き方が変わる程の変化が。

一周目に遭遇した指と口と鳴き声のギミックも相当に度肝を抜かれたけど、二周目で遭遇した人面犬のようなギミックにも相当仰天した。

相変わらずこういう所に絶妙な不気味さを仕込んでくるやり方は個人的には結構刺さったな。
周回や選択肢によって変化した不気味な人面犬を誘導していく謎解きギミックに挑戦する主人公たち

一周目とは違う視点での謎解きも凄く面白い

そして、この二周目を経ることによって初回にプレイしなかった逆サイドがどのような思考の変遷を辿って結末に行き着いたのかが明確に判明するという流れはやはりカタルシスが大きかったな。

もちろん、エンディング部分にも多少変化が。

この辺は流石にネタバレになるので深堀しないけど、ある意味で納得感は高かった。

そして本作にも前作同様に発売後のアップデートにて後々追加された三周目エンディングが。

こちらも引き続いて同じプレイヤーとゲームを開始することで特殊な演出と共にそのルートへと突入し、それためだけのそれぞれのプレイアブルなキャラクターが新たに用意される。

本編を二周目までクリアする事でより深く本作の世界観や設定などの全体像が見えてきているのでこのキャラ選択の段階で既に結構感慨深かったりする。

あと内容や演出が地味に前作との繋がりが漂っている感じも好きだったな。
追加された3周目要素にて前作にも出てきたシーソーの様な物の前を通り過ぎる主人公

追加された三周目要素やエンディングも良い

作者的には前作同様に蛇足だとしている部分あるんだろうけど、個人的にはここまで描ききってくれる方が色々と納得感はあって良かったのかなとは思う。

もちろん二周目までのエンディングでもオチとしては嫌いじゃないけどね。

全体的に二周目、三周目とやる価値は非常に高いと思っているので、初回をクリアした際には引き続いてプレイするのがオススメだと思ったかな。

6.その他システムやバグに関して

ロードはかなり速かったな。

基本的にドット絵調な画質などを考えれば妥当ではあるんだけど、とにかく終始快適だったね。
大体どの場面でも3から5秒程度で操作可能になるのでかなり遊び易かった。

バグに関しては若干遭遇。
特に同期ズレなのか、通信のラグなのか、はたまた環境起因のものなのか、前作でも同様の状況に遭遇したんだけど、場面によってはかなり操作遅延が発生してしまう瞬間があった。

読み込み直したりすると戻ったりするのでバグの可能性が高い。

基本はパズルや謎解きが主軸ではあるけど、時折シビアにアクションが求められる場面もあったりするのでこの問題はシンプルに困った。

全体的なゲーム性は非常に良かったので最終的にはもっと高い安定性まで改善されると良いかな。

ここが良かった!

・絶妙な難易度と面白さの協力プレイ用の謎解きやギミック

・目的秘匿型の協力プレイというユニークさ

・全体的な物語のボリューム感やテンポも良い

・追加エンディングも個人的には満足感が高い

ここが気になる!

・若干、挙動が不安定な場面があった

・選択肢にはもう少し奥行きが欲しかった感

・若干説明不足なギミックもあった

総評

相変わらず二人協力の謎解きギミックが全体的にクオリティが高く面白かったな。

前作よりも色んな方面での進化を感じたし、作者色の濃い不気味なギミックも増えていたのも個人的には刺さったね。

あとはなんと言っても目的秘匿型という要素が協力プレイにおいてはユニークだった。
一緒に協力しているにも関わらず終始独特な緊張感があるし、選択肢を選ぶ際にも相手のリアクションが気になるのは遊んでいて凄く面白かったな。

それと賛否あるのかもしれないけど追加エンディングも個人的には凄く良かったと思う。
あえて多くは語らないけども。

前作から引き続いて今作も面白かったので既に次回作とかにも期待してしまうね。
次はどんなギミックや世界観でプレイヤーを楽しませてくれるのか今からワクワクだな。

そんな、目的秘匿型の協力謎解きゲーム。

気になった方はぜひやってみて欲しい。

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